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NARUTO大好きナルマニによる妄想吐きだめ処。とりあえずサスナルやらいのナルやら好き勝手やってます
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ユナ
自己紹介:
なるちょに常日頃から悶々してるただの腐女子。なるちょがいれば回りに花が飛びます。
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「もぅ頭にゴミついてるわよ」
言葉は怒っていても頭に伸ばされた手の優しさとふんわり漂う甘い香りにやっぱりお姉さんみたいだなと思う。本人に以前呟いてしまったらポカンと頭を叩かれて歳がどうたらこうたら言われたけれども、怒っているわけでは無かったと記憶している。
取れたといわれてサクラの手を見れば白い大きなゴミがあった。こんなゴミを付けて歩いていたなんてちょっと恥ずかしいと今になって思った。サクラが気づいてくれなければこれ以上の恥さらしとなっていたわけである。そんなの御免だ。
「ありがとってば」
「どういたしまして。ってナルト、アンタ変えた?」
「へ?」
サクラの唐突な問いかけに疑問詞を浮かべる。
何をと問えばシャンプーを変えたのかと再度問いかけられる。
基本いつも使っているシャンプーは髪に良いというには程遠い一番安くてとりあえず洗えればいいと思い買ったものであって、常に買い置きしてあるので間違っても家のものを変えたわけではない。
だが、心当たりが無いわけでは、ない。
「・・・どうして?」
手のひらに湿り気を感じつつ平常心を装ってサクラを見上げれば。
「だっていつもと匂いが違うもの」
どこかで嗅いだことある匂いね、と言われて心臓が高鳴りを覚える。ひゅっと喉が鳴りごくりと唾を飲み込んだ。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
思いださないで欲しいと神に願うわけでもなく目の前にいる彼女に願って手をぎゅっと握りこむ。必死に思いだそうとしているサクラにどのような声をかけたらいいのかさ分からない。否、変に言葉を発すれば鋭い彼女のことだろう、自分が何かを隠しているのか悟ってしまうだろう。
ふとサクラと目が合う。表情に出ていたのか彼女の口が開く。

「オイ、依頼品をカカシが探してるぞ」

なんてタイミングだろう。まるで見計らっていたかのような声にビックリして、安堵した。
「いっけない、忘れてた!」
「向こうだ」
「ありがと!」
珍しいサクラの失態に本人自身も焦っているのだろう、今まで思考に耽っていたことなど一切無かった事のように走り去る後ろ姿が正直嬉しかった。
「別にそこまで焦る必要ねぇだろ」
「・・・っ」
緊張が解れ脱力した身体は下半身をぺたりと地面に押しつけて安息を求める。サスケの呆れたような、でも優しい声が大きく聞こえて見上げれば黒い双眸がこちらを見つめていた。
その瞳が濡れて深く己を刻みつけて求められる瞬間は堪らなく喜悦で、愛しいという感情を与えられたのは程遠い過去のことではない。たとえ日は浅くとも相手に向かう感情は精一杯のベクトルが向いていて、それが高まり双方に愛情という名の行為に耽ってたのが昨日の事であろうとも。
「だって・・・」
「俺はバレてもいいと思ってる」
「それは、そうかもだけど・・・っ、でもお風呂・・とか・・っ」
「別に恋人同士なら普通の事だろ?」
「ふ、普通かも、だけど・・・」
確かにそういう行為に嫌悪感をもったり拒絶したいわけではない。所謂恋仲という間柄では一般的な人間の生理に適った行為だということも分かっている。頭では理解しているのだ、否、嫌というほどさせられた。だが、心がそれに追いついていない。とてつもなく。
「・・・恥ずかしい」
先ほどサクラが言っていた香り、それは自分自身もよく嗅ぐ香りでもう馴染んでしまったもの。
抱きしめられた時に感じる微かな香りが大好きで、黒髪に映える香りに酔いしれた。その匂いが今は自分にも付いている。それが意味することが何なのか、リアルに昨日の行為さえも思いだしてしまいとてつもない羞恥心がこみ上げる。
「恥ずかしくて、死ねる・・・」
「・・・シャンプーが一緒なぐらいどうってことねぇだろうが。風呂借りたとでも言っとけばいい。一緒に入ったなんて言わなきゃわかんねぇよ」
「わーわー!声がでかいってば!」
周りを見回して誰も居ないことに安心しつつサスケを睨みつければニタリと人の悪い笑みを浮かべていた。人の気持ちを知っていてわざとやる神経に腹が立って一発でもぶん殴ってやろうと立ち上がればそれを待ってましたと言わんばかりに振り上げた右手は捕まえられて頬に添えられるぬくもり。

「・・・っ」
「甘い。飴食ってただろ」

見惚れる程の甘い笑みを見せる男を殴るなんてこと、出来ない。
抱きしめられた肩口から香る同じ匂いに一生こうなのだろうなと思った。

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「日がくれーてー」
「音痴」
「うっせぇってば!」
 じゃあサスケが歌ってみろよ。何で俺が歌わなきゃなんねぇんだよ。いつものと変わらないでも少し違う帰り道。一日の数時間、明るさと輝きを与えてくれた太陽は地平線へと沈もうとし、その交代に今度は月が闇を照らすのももう直ぐの事だろう。夜がやってくる。
「今日の夕飯は一楽だってば」
「今日も、の間違いだろ」
「昨日食ってねぇじゃん。一昨日は食べたけど」
「結局はラーメンで同じだろうが。今日は魚だ魚」
 前を歩く少年二人の会話は聞くばかりでは微笑ましいものだ。
 最近会話から覗くに二人は夕飯を一緒に食べているらしく任務帰りには同じような会話をよく聞く。ナルトからはラーメンと言う単語しか知らないのではかと疑問に思う程レパートリーがラーメンばかりで、サスケに至っては品物は違えども基本的には和食だ。魚や煮物などを好みナルトが好きそうなメニューは口をついて出たためしは無い。
 だが二人はまったく違う好みを言い合ってはいるが決して別に食べると言うことはせず必ず一緒に夕食をとる。以前問うたら金の問題と一言で言われたものだが、今なら分かるその理由。
「ぁ・・・」
 ナルトの微かな声と共に視界の隅にポトリと緑色の馴染んだものが現れた。舗装されていない茶色い粉塵の中に映える緑色はいつもよりかは痩せてはいるが、やはり太っているようだ。手を伸ばそうかな、でも平気だろう。そう思っていた矢先に大人にはまだ程遠い手が触れてそれは本当の持ち主に返される。
「ガマちゃん救出っ」
「拾ったのは俺だ、ウスラトンカチ」
「いいの。俺の元に戻ってきたんだから」
「つーか財布落とすな馬鹿」
「ふかこうりょく!だってばよ」
 土を振り払いポーチの中隠れてしまった蛙に今日あれはもう口を開くことは無いのだろうと悟る。その反面漆黒の少年の財布の紐は解かれるのだろう。嗚呼たった一つの出来事だけで分かってしまうようになった自分が嬉しいやら悲しいやら。いや、恐らく楽しいのだ。今目の前でされているサスケの服の虫食いの話でさえも、ナルトが帰ってから直すのであろうことは聞かなくても分かる。サスケとて家事が出来ないわけでは無いのだ、ただ意外にもナルトが家事全般についてサスケより出来てしまう―――流石意外性ナンバーワンなだけであって。以前たまたまご馳走になった二人の夕食は勿論ナルト作、素直に美味しいとしか言いようが無かったものだ。
 結局は二人して甘え甘えられての関係。
 だからとりあえず。


「ごちそうさま」


 漆黒の瞳と空色の瞳が幸せでありますように。

 

 人里離れたこの場所は何時に無く静かに佇んでいた。冷たく、暖かさを持たない石碑は幾度と無く、誇りある気高き魂を受けれたことだろうか。触れてみてもやはり何の温かみを持たない。そんなこと、分かりきっているはずなのに。
「火影様、お体を冷やします」
「ん・・」
 背後に音も無く現れた忍に火影と呼ばれた青年は小さく相槌を漏らす。黄金色の髪は無邪気に夜風に遊ばせ、その隙間から微かに見える顔付きはいつもの昂然たる顔付きとは程遠く、何を感じ何に思いを馳せているのだろうか。
「今日、例の任務が終了したってば」
「・・・」
「敵の殲滅は骨さえ残さず、全ての証拠は隠滅された」
「そうだな」
「・・身を、同時に滅ぼすことによって」
 青年の口調は昔馴染みの聞きなれたものに戻っていた。それはこの瞬間から六代目火影という肩書きから一人の忍、うずまきナルトに戻ったのだと。そう、サスケに伝える。
 半刻前、一人の忍が木の葉の門をくぐる。一つの巻物をもって役目は果たしたと言わんばかりに一歩足を踏み入れた瞬間倒れこんだ忍は既に事切れていて、無事、巻物だけが生還された。それは血にまみれた任務報告書だった。それを火影が手にした時、読み終わった時、任務終了とみなされる。そう、生存者ゼロとして。
「それほど、相手も手馴れだった」
「そして同じだけの思いを抱いていたんだ」
 ―――帰る場所を抱き。
 既に葬儀は終わり名を綴られた四名の気高き魂はここに眠っているのだろうか。身体は無くとも魂だけでも、と思うのは欲張りなのだろうか。せめて―――。

「今度は負けないつもりだったんだ」
「酒はヤメロっつったろーが」

「一緒に種まこうって約束してたんだってば」
「これ以上鉢植え増やしてどうすんだ」

「甘栗奢ってくれるっていってた」
「‥考えるだけで甘い」

 せめて―――。

「・・・っ」
 泣くことは許されない。火影として、里の長として、忍として。たとえ教えをくれた先輩であろうとも、一緒に這い上がった仲間であろうとも、世話をやかす部下であろうとも。特別に涙を流すことなど許されないのだ。だから、せめてうずまきナルトとして接することだけは許してほしいと、願わずにはいられなかった。気づけばここにいた。きっと血塗れた報告書は机の上に出しっぱなしだろう。まだ、手付かずの書類さえ山のように残っている。なのに、自分は此処にいる。
「火影様はいま、どこにいらっしゃいますか?」
 嗚呼、ズルイ言い方だなぁと思う。
 己に厳しい補佐官の一人は自分にも厳しくなってしまったのだと青年は思う。甘いくせに、厳しい。
「ホント、嫌味な奴だな。うちは補佐官」
「アナタ程じゃありませんよ。火影様」
「お生憎、書類と補佐官は苦手なものでね」
「それは褒め言葉として受け取っておきます」
 夜風が、目に染みる・・・。
 
 生前。好きだった酒の滴を、華やかに咲く花を、ぬくもりある甘みを。
 また今度、うずまきナルトとして、一人の後輩であり先輩であった仲間で来よう。その時また、貴方達の好きなものを手向けよう。だから今は、一人の男の腕の中で仕事をこなすことにします。

「お前の涙も苦手なものに加えとけ」
「‥っうる、せ」

 君におくろう。貴方達が誇れるような立派な後姿を。
 

「あの、さぁ‥」
 この手、どけてくれないかなぁ?
 呟きは音になったけれども相手の耳には何とも都合よく聞こえなかったようで、もぞりもぞりと腹部で蠢くまだ幼さを残す指を掴み半強制的に静止させてやった。反抗を示しはしたが、やはりそこはナンバーワンルーキー。己との実力差はとうに理解しているらしく、すぐに大人なしくされるがままになった。
「お前ね。流石にこれは教えてないってばよ」
「いや、十分に教えてもらったぜ。ナルトセンセ」
 くるりと身体を反転させて後ろにいる小生意気な教え子に向かい合う形になれば、そこには堂々とした強い瞳が存在した。黙ってりゃキレイな顔をしているのに勿体無いな。それがナルトがサスケに抱いた第一印象だった。
 サスケはナルトが受け持った下忍スリーマンセルの一人だ。初めての下忍指導に緊張と期待を織り交ぜながら向かった先には彼の有名な『うちは』が居たわけだが‥、まさかこんな少年だとは思いもしなかった。

「あんたを啼かせる弱点はこの写輪眼で見切ったからな」

 天才と馬鹿は紙一重とはこういうことを言うのだろうかと思った瞬間でもあった。

 

「先生はどうして先生になったんだってば?」

 草むしりなどと言うぶっちゃけどうでもいい任務の合間、依頼人から支給されたお弁当をつついていたナルトが突然こんな質問をカカシに投げかけた。今までしていた話の脈絡からは到底考え付くものではなく、うずまきナルトという人物の意外性はこんなところでも発揮されるのかとカカシはまず思ったものだ。
 うげっピーマンだってば。と、隣にあるサスケの弁当へそそくさと緑色のしなった物体を放り込むとサクラからお説教を受け、サスケからは溜め息を貰う。そんな光景が目前で広がっていたけれど―――。
 ナルトの意識は依然此方へと向けられている。
「んー。どうしてそんなこと聞くのかなー?」
「だってさだってさ!別に先生にならなくても忍ってばやってけるだろ?それにせんせーってば暗部だったのに態々せんせーやる必要あったのかなって」
「あ、確かにそれ気になる。イルカ先生みたいな温和な性格は先生に向いてるだろうけど、カカシ先生みたいな性格には向いてないと思うのよね」
「向いてる向いてない以前の問題だろ」
「あー‥、お前等容赦ないねー」
 この話題には残り二人も興味を示したらしい。サスケの方を見れば緑色のしなった物体は無くなっていた。食べた時のサスケの表情を見れなくてちょっと詰まらないなーと思いつつ、カカシは一つ溜め息をつくとぱたんと音を立てて本を閉じる。
「ま、基本的に子供は嫌いじゃないしね」
 三者同様驚いた顔つきをするのにカカシは苦笑し、でも‥、と言葉を濁しすっと瞳を細める。
「一番は先生の影響かな」
「せんせい?」
「そ、俺の先生」
 その人のおかげで今の俺がいる。
 一人だった自分に命の大切さと仲間の大切さを教えてくれた。一人では無力で、助け合い助けられながら生きていくのだと。小さかった自分を叱り褒め称えてくれたのもあの人だった。その存在は大きすぎた。
「別に教師という立場にまで憧れていた訳では無いけどな。純粋に同じ位置に立てば同じことが見えるのかと思っただけだ」
「・・・・・・」
「まぁお前等になってしまった俺の運がないと言うか何と言うか」
「先生にそれだけは言われたくナイです!」
「少なくともお前のような大人にはなるなということは教わったけどな」
 いい加減遅刻癖直してくださいと掴みかかるサクラに揺すられぐるぐるとする視界の中、こりゃまた地雷踏んだなーと思うのだ。だって黄色いヒヨコは万遍の笑み。
「せんせーの先生は凄いってばね!」
 そう何もかも見透かしたような蒼い瞳で。

 嗚呼、もうサクラにいくら叩かれようとも、サスケにいくら睨まれようとも、ナルトがどこまでもドベでも、やっぱ可愛いかわいい生徒達を守ってあげたいなんて思ってしまうのも、全て。そう全て“先生”のおかげなのだと思うのだ。

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