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NARUTO大好きナルマニによる妄想吐きだめ処。とりあえずサスナルやらいのナルやら好き勝手やってます
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プロフィール
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ユナ
自己紹介:
なるちょに常日頃から悶々してるただの腐女子。なるちょがいれば回りに花が飛びます。
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「おっちゃん!味噌4つね」
 翻される暖簾から金色が見えたのと同時に聞きなれた声が毎度同じみメニューを注文する。いつもと違う部分は個数だ。常連と言っても過言ではない穏やかそうな教師と来れば個数は二個なハズだが、今日は四つ。随分と大人数でカウンターを占領してくれるものだなと元気よく娘と笑う。
「ちょっとナルト!もうちょっと静かにしなさいよ」
「案ずるなサクラ。これでもまだ静かな方だ」
「‥うそでしょ」
「あはは。元気なことは良いんだけどねぇ」
 言葉通りの順番に。春色に漆黒、なんとも言えぬ色を纏った大人。それはもう決まっているかのようにナルトを中心として席に着けば他愛無い会話が始まる。まるで家族のようにも見えるそんな風景は母親兼姉役がまだ幼さを残しているからか、それとも漆黒の少年が一線を越えた視線を金色のヒヨコに向けているからか。
 唯単に愛されちゃってんのよ。
 そんな娘の言葉が耳元にふわりと舞うと、すとんと落ちるような感覚に陥った。そうか、そういうことか。と、妙に納得してしまったのは本当に嬉しそうに笑うから。あの穏やかな教師と一緒に居る時とはまた違った笑顔を見せる少年はまるで花のようで。そんなことを思ったら急に羞恥というのがこみ上げてきて、まるでこの子の父親になったような気分になった。嗚呼、あの教師さんもきっと同じような気持ちを抱いているんだろうかとか思ってしまったり。だから。

「ほれ、味噌大盛り四つチャーシューおまけ付きだ!!」

 どんっ!そんな盛大な音に嬉しさを乗せて―――。

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 ちょっぴり今回えろーな風味(15禁ぐらい?)なので一段隠します。とか言いつつ記事に直接飛んだら出てきちゃうんだけどね、それは仕方が無いよねー。うんうん。ちょっぴりナルトさんオトコマエ(ぇ
 後は明日(あ、もう今日か)の鎌倉レポを書けたら書いてネト落ちします。8月上旬まで。

「お前も登ってくれば?」
 そんな成長期も過ぎた、だが男にしては高い声が空から降ってきたようだった。初めからナルトがそこにいるのは知っていた。あと数日後には里の頂点に立とう者が自らを曝け出すように気配も消さず、無防備にも木の上から声をかけるなどサスケでなくとも分かる。
「‥サボってんじゃねーよ」
「息抜きだってば」
 上となる者の教訓やら態度やら、限りなく死に近い年齢の方々から休み無く口説かれるのは流石の俺でも辛い、と以前から愚痴ていたのをサスケは知っている。というよりも、その愚痴を聞かされていたのはサスケなのだから。
 すっと音も立てずに隣に移動してきた己の友の姿に、ナルトは視線を傾ける事無く淡々と目前に広がる里を見据える。サスケが此処に来た理由など聞かなくとも分かる。どうせ己を連れ戻しに来たのだろう、逃げ果せたうずまきナルトをつれてこい、と。仮にもまだ五代目火影が里を治める地、サスケが反論などできるはずも無く、判りきったこの場所へ足を赴いたのもまた命令。そして案の定ナルトは此処にいて。
「五代目が呼んでる」
 常套句を述べるのだ。
 ふっと笑みがこぼれる。相変わらずの決まり文句に一体何度目だったのだろう?と数え始めるも数え切れないほどありそうなので、途中でやめた。サスケも意図してやっているのだろう、あの堅苦しい男が此処までも変わるのだから、月日がそれほど流れたということ。そのことに再び笑いが込み上げてくると、小さな溜め息が聞こえて視界の角に映える漆黒が座り込んだことを知った。
「さっさとてめぇを連れてかねーと俺にまで被害がくんだよ」
「まあ‥諦めろってばよ。それにもう、慣れただろ?」
「‥‥‥」
 沈黙は肯定の証。そもそも無理矢理連れてくまでもなく、こうして隣に座り込んだということ自体がサスケの意を述べている。そんなサスケがかわいいなぁとか思う―――絶対に本人には言えないが―――ようになったのがつい最近で、その感情がどんなものからくるのかは深く追求しなかった。というより、考えるのが面倒臭かったというのが一番の理由だが。
 あと数日でこの風景を統べる者となる。
 風のみが聞こえる感覚の中で二人は同じことを思ったのだろう。片方は直接的に、もう片方は間接的に。
 まるで里の者の声が聞こえてきそうな感覚にナルトは苦笑すると、サスケの意識がこちらに向いたのを知りつつそのまま横に倒れて身体を宙に浮かせた。
「っ‥ナルトっ!」
 ふわりとした浮遊感を感じた後は広い胸のぬくもりを感じた。ナルトが悪戯心並びに意図してやったことに気づいているだろうに焦りを含ませた低い声はたとえ何度聞こうとも心地よいな、と感じる。衝撃を最低限に抑えた着地はナルトに何の障害を与える事無くサスケに吸収され、腕の中から詫びる事無く抜け出して振り向き際にニッコリと笑う金色。
「サスケってやっぱかっこいいな」
 ばぁちゃんに殺される前に帰るってばよー。
 すらりと伸びた身長を伸ばすと、早々に歩き始めたナルトの後姿はなんて純粋なのだろうと思う。そして、同時に感じる欲望と憤り。
「あんの‥ウスラトンカチが‥っ」
 人の気持ちも知らずに言いたいことだけ言って何にも期待させるような行動はしないくせに、と思ってしまうのは長年の想い故か。
 顔の火照りが鬱陶しい。今だけは己の指先が冷たいことに感謝したのだった。

 ゲコゲコと風物とも言えるカエルの鳴き声が当たり一帯に鳴り響く中、規則正しく砂利を歩む己の足音が一番遠くに聞こえた。それは勿論カエルの鳴き声でもあるし、でもそれよりも隣を歩く漆黒の男が発する珍しい足音に掻き消されたからだろう。
「もう田植えの時期かぁ」
 冬に乾いていた水田は水が張られていて、もうそんな時期なのだとナルトに伝える。そういえばカエルは水が張る前から声を出していたな、などと無粋なことを思いながら、黙々と歩く‥でもしっかりとナルトの言葉には耳を傾けているサスケを見てナルトは笑みをこらえる。
「昔はよく手伝ったりしたよな」
「‥お前はいつも駄々捏ねてたけどな」
 昔といえどもたかが数年前、されど数年前。
 いつの間にか大人と分類されてもおかしくない年齢へと成長してしまった自分達は、同じようにいつの間にか上忍へとなっていて。先生と呼んでいた人物も今では同僚とも言えるような立場にいることに少しの寂しさを感じながらも充実感に満たされていると感じたのはごく最近のこと。
 嗚呼、本当に月日が早い。
「ここらは変わらずのどかだってばよ‥」
 たとえ己等が成長しようともやはり変わらぬものはあるわけで。
「この風車はいつまで回ってるんだろうなー?」
 目前に広がる大きな風車に対抗するよう大きな声を上げたナルトにサスケは少し眉を顰める。唯の物質に問いかけてどうする、などといった問いかけはこの場には不要で。なにしろこの破天荒なうずまきナルトという人物と長年付き合ってきた仲では周知の事実だ。そしてやはり慣れというのも生じる訳であって。
「ずっと回ってんだろうよ」
 ―――風が吹き止まぬまでは
 馬鹿だ馬鹿だと思ってきたナルトの思考に答えられるようになってしまった。
 でもそれが嫌だとか恥ずかしいことだとかなどとは微塵たりとも思わなくて、というより思えなくて。何故だか、誇らしくさえも感じた時もあった。でも理由は簡単だったのだ。
「ふむ。そうだな!」
 この屈託無く笑うナルトが好きだから。
 そんな単純な理由がこのような思考回路をサスケにもたせたらしい。これを自覚したときは一人混乱もしたが今では重々と受け止めている。
「さぁて!早く帰って飯食うってばよ」
「てめぇが作るわけでもねぇのに出しゃばんじゃねぇよ」
「なっ‥!人のうちに勝手に住み着いてのは何処のどいつだ!」
 だって、こんな会話でさえも今では勿体無いほどの充悦感。
 今日もまた、止まらぬ風車の横を君と歩く帰り道。

「せんせー見て!」
 任務の休憩時間。突如としてカカシの目前に現れた金色は万遍の笑みを浮かべて胡坐の膝に手をつく。読んでいた本は当然に隠され、というよりも無残にも紙は折れ曲がり他のページもしわくちゃなのだろう。だがそれが勿体無いと釈然と考える前にあまりにもナルトが笑うものだからそんな事柄はふっとんで、硬そうにみえるが実は柔らかい髪を梳くとこれ以上も無い笑顔を見せられるのだからたまったものではない。
「んー、ナルトは何を見せてくれるの?」
「えへへっ‥これだってばよ!」
 アウトオブガンチュウ、もといナルトにしか目が入らなくなった己の行動は簡単で、手に持っていた本を放り投げるや否や、ちゃっかりとナルトの腰に手を回し身体を密着させることだけは忘れない。そんなカカシの下心に気づいているのかいないのか、無邪気に笑いながら背中に隠し持っていた小さな手をカカシの目前に出す。
「これは‥ パックン?」
「おう」
 オレが作ったんだってば。
 濃茶色の口回りに垂れ目なワン公。へのへのもへじを背負った姿はよく知る忍犬そのもので、糸がほつれてたり綿がはみ出てたり、とお世辞にも上手とは言えないものだったがそのマスコットを支える指を見れば自然と笑みが漏れてくる。
「先生にプレゼント‥だってばよ」
「くれるんだ」
 ありがとう。
 好きな子からの手作りプレゼント。嬉しくないはずが無い。
 小さな掌では大きく見えたマスコットは己の掌では小さく見えて、その対比に気づいたナルトが赤く染まるのが心の底から愛しいと感じた。こんな可愛い子が自分の恋人なんてなんて幸せ物だろう、と。
「大切に するよ」
「‥っあったりまえ‥っ」
 小さな言葉は大切な接吻に邪魔されて。


 後日、カカシの家の鍵に不細工なマスコットが付けられていたのは、言うまでも無い。

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