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NARUTO大好きナルマニによる妄想吐きだめ処。とりあえずサスナルやらいのナルやら好き勝手やってます
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ユナ
自己紹介:
なるちょに常日頃から悶々してるただの腐女子。なるちょがいれば回りに花が飛びます。
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「では、積年の思いに乾杯!」
 キバの掛け声と共にわー!騒ぎ始める同期の仲間たちを見てナルトはくすりと笑みを浮かべた。

 本日 やっと中忍になれました

 サスケを連れ戻してから早数年。連れ戻してからの数年間は正直上層部との競り合いでまともに寝れたためしもない。そんな中やっとこさ競勝ったと思ったら身体の方にがたがきたらしく、そのままぶっ倒れた。そのままなし倒しに入院するやちょっと心配性すぎるのではないか?と自分でも疑問に思うくらいに綱手とサクラに脅迫されて暫くは修行も儘ならなくて、退院した後もついて回る病院関連に開放されたときにはサスケの謹慎も解ける頃合だったわけだ。そうして二人で修行を始め、今に至る。
「これで心置きなく会話できるわ」
 確かに。同意の声が多数から上がる。ナルトとサスケが下忍のままということで皆して少しは気を使っていたらしい。今考えてみると確かに任務関係の話は必要最低限以外は無かったような気がした。こんなとき、皆の優しさというのをつくづくと実感するのだ。
「おう!ありがとな!」
「‥頼んだ覚えは無いけどな」
 酒を片手にぶっきらぼうに答えるサスケはやっぱり不器用で。誰もがその素直じゃない性格に苦笑を浮かべる。本人もそれに気づいているのかいないのか―――おそらく前者であろうけど―――視線を斜め下に傾け酒をあおるばかりだ。
「とにかく、飲んで昇格を祝おうぜ!」
「それは唯アンタが飲みたいだけじゃない」
「んなことねーよ。なあシカマル」
「めんどくせぇ‥」
 
 変わらない

 本当に変わらないと思うのだ。
 この優しさという温もりに包まれた空間はいつになっても変わらない。それが本当に心から嬉しくて、自然と笑みがもれる。こう、楽しいというよりも、暖かさに。
「‥もつべきものは友達、だな」
「‥‥‥そうだな」
 ぽつりと漏れたナルトの言葉にサスケがフッと笑って答える。決してサスケに問いかけた訳ではないけれど、サスケがそう答えてくれたのが嬉しかった。今のこの感情に対して、同じように思ってくれて嬉しかった。
 だから、今までしてきた行動が正しくは無いとは思えないのだ。
 決して正しいとは言えないことも沢山してきたではあろうけど、結果的には正しくは無いなんてことは無かったのだ。そして、大切な友は隣に。それだけで十分だと思う。他に何も言葉はいらない。
「サスケも」
「あ?」

「‥ありがとう」

 本心から。戻ってきてくれてありがとう。

「‥あぁ」

 本心から。戻してくれてありがとう。

 そう。伝える言葉はいつも近くに。これから共に―――

 

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「じゃあ明日も同じ場所同じ時間に集合!遅刻しないようにな」
 解散!そう告げるや否や帰りだす3人の部下達はいつも元気だなぁと思うのだ。三者それぞれ違った性格をしているのは見ていて飽きないが、正直疲れる。昔、自分を担当していたあの遅刻先生もこう思っていたのかと思うとやっぱり凄かったのだと再確認するのだ。
 でもまぁ、やはり遅刻するのであの人の評価はそうそう高くはならないが。
「凄腕の忍者ってとこは認めるけどさ」
「そりゃどうも」
 ナルトのすぐ後ろ。
 少し上にある建物の屋根の上から落ちてきた声に振り向けば、音も立てずに苦笑いしながら降りてきた人物。それは覆面に片目という不審者極まりない相変わらずな自分の担当上忍だった人。
 部下達に解散を告げたあたりから感じ始めたこの気配。ここぞとばかりを狙ってきたに違いないことは誰もが了承済みだと思うのだ。
「何か任務でも入ったってば?」
「いや、ただ可愛い可愛い元部下が目に入ったもんだからね。ちょっと可愛がってやろうと思って、ね」
「そりゃあ光栄なこった」
 くつりと笑みが漏れるのは数ヶ月ぶりにあったからであろうか。理由はどうであれカカシもニコリと笑って柔らかい雰囲気を醸し出しているからまあいいか、とでも思うのだ。久しぶりに会うのは商業がら、生を実感できるから、とナルトはいつも思う。
「今でも思うよ。まさかお前が下忍の部下をもつとはねー」
「人は刻々と変化するもんだってば」
 今では一応名の通った木の葉の忍の一部だ。カカシと肩を並べるほどにはいかないがそれなりには他国にも思われているはず。曖昧なのはあたりまえ。自分ではそんなこと分かるはずもないから。
「今ならカカシ先生の苦労が分かるってばよ」
「何をいまさら」
 今でもナルトは変わらず先生と呼ぶ。年を重ねてもオレのの先生だったことには変わりないから!そう言って高らかに宣言してくれた姿はそう昔ではないけれど、やはり嬉しいものだとカカシは思ったのだ。いつまでも先生でいられる、それほど光栄なことはないと思うから。
「暇なら、これから一杯、どう?」
 右手をくいっと口元で傾けて促す仕草をすれば、ぱぁっと明るくなる笑顔にカカシは苦笑する。
 ホント、サスケも苦労人だなぁ‥
 人懐っこすぎる恋人をもつと苦労するものだ。目の前の人物を見ているとよく分かる。あの生意気な漆黒を思い出せば膨れっ面の頻度か多すぎるけど、でもやはり可愛いと思うのだ。
「せんせっ!早くいこーぜ!」
 先生のおごりでな!
 今にでも走り出しそうなナルトの姿は昔とかぶるものが多い。身体は成長したが、精神までは成長し切れてないようだと、常日頃から思うのだ。だが、それがナルトらしいと言えばナルトらしい。そうでなければナルトではないと思ってしまうのは贔屓目か。
「仕方ない。あいつ等も呼びますか」
 はぁ‥と、溜め息の裏側には、漆黒の仏頂面と春を纏う子。

 木枯らし舞うこの季節。
 肌をつつく風が冷たいと思う前に通り過ぎていく想いは一体何処に行ってしまったのだろうか。昔のあの想いはどこへ行った?高台から見下ろす里はぽつりぽつりと灯火を現していた。
「冷えるぞ」
 先程から感じ始めた気配。それは隣にいる今でも薄く儚い気配しか漂わない。この男はそういう男なのだ。近くにいても、ましてや隣でも、決して大っぴらに気配を現すことはしない。そんな、律儀なオトコ。それが忍の姿だ、と言われれば否定は出来ないが。
「別に」
 もう冷えてるし。
 何も言わず、何も感じず。唯淡々と紡がれた言葉に隣の男の気配が少し揺れたのが分かった。
 こんなことだけで動揺するなよ‥
 少し、我が恋人という立場にいる人物を情けなく思う。
「お前、動揺しすぎ‥」
「‥仕方ねぇだろうが」
 動揺を悟られたことが失態。そう思っているだろう男は羞恥心をかみ殺すように舌打ちをしながら一歩足を踏み出してナルトの二の腕を掴み立ち上がらせられる。
 強く掴まれて悲鳴を上げる腕に、痛いと抗議してやろうと口を開けばそのまま口を塞がれた。触れた唇はそこだけ互いの熱に孕まれて他の場所が冷たく感じる。寒いのが余計に寒くなったなぁと思いつつも、入り込んできた悪戯な男の舌は執拗に口腔内を我が物顔で動き回り呼吸さえもままならない。
「さっさと帰るぞ」
「‥おまっ‥自分勝手すぎっ」
 わざと音を立てて離れた唇はどくりどくりと鼓動が激しく、まるでそこだけ独立してしまったような、そんな感じさえおぼえるなか、飄々と言ってのける目の前の男は己の身体を抱きしめたまま離そうとはしない。
 一言離せと言えば簡単に離れる抱擁の腕はがっちりとした忍の腕。すでに背を向けられて歩き出した姿からはさっさと来いの無言の訴えしか悟ることは出来なくて、感嘆の溜め息をもらすばかりだ。仕方ないと思いつつも、先程の腕の温かさばかりが脳裏を占めるのは、恥ずかしいばかりだけど。
 
 背に向かった里は火を灯し己の存在を表現する。
 いつからだ、そんな里を愛せなくなったのは。
 
 昔の、愛し守りたいという気持ちは何処へ言ってしまった?

 否

「何処にも行ってはいない」

 唯

 愛したいのは ただ一人

夢は叶えるもの だから



「退屈だってば‥」
 窓から覗く晴天の青空に目を配りながら吐息を漏らす。そんな衝撃に目の前に積み上げられた書類がふわりと宙を舞っていったのが視界の片隅に目に入った。
「こら!仕事してください火影様!」
「‥サクラちゃん」
 んー気配を微塵も感じなかったってばよ。そんな軽愚痴をたたきながらニコリと屈託なく笑う姿は本当に20代の男の姿なのか、と毎回毎回この笑顔を見るたびにサクラが思ってしまうのは仕方がないことなのだろうと思う。そしてこれに、毎回絆されるのだ。
 
 『火影になる!』

 そう夢を語っていた少年は今や里を担う中心的人物。ここまでの苦労は半端ではなかったけれども、一心に追いかけた夢は今は沢山の希望と共に此処にある。この六代目火影という地位についてから早数年。色々な人々に支えられながらこの椅子に座る。
「そいえば、サスケは?」
 サクラと同じ筆頭補佐官であるサスケの姿がサクラの隣に見当たらないことに気づいて首を傾げながら、自分が補佐官の仕事を把握していないのはどうだろうかと頭で突っ込みをいれてみる。
 この二人を信頼してるからこそ、と言ってしまえば単純なのだが立場上そうそう簡単にかたはつかないのだ。
「休憩中よ。誰かさんが食べたいーって言っていたのを買いに行ったのかもね」
―――誰かさんにだけは甘いから、あのヒト
 そう笑うサクラは誰よりもキレイだと思う。だから一番好きな女の子。
「だってサスケはオレにべた惚れだもん」
 惚気は勘弁してよ。
 冗談交じりに言えるようになったのはそう昔のことではない。それまでは、恋の好敵手だったから。それはナルトが火影になってから変わったといっても過言ではなくて、そう、全ては夢をかなえてから。
「あー早くかしわ餅かって帰ってこいってばよ」
「‥頼んだのみたらし団子じゃなかった‥?」
「今の気分はかしわ餅!」
 そう高らかに宣言する姿をみたらサスケは大きな溜め息をつくだろうか。それとも怒りだすだろうか。否、答えはどれでもなくて、彼は笑うのだ。薄く、優しく。
 サスケも叶えた。夢を叶えた。だから笑えるのだ。サクラも叶えた。夢を叶えた。だから笑える。
 そして、ナルトも叶えた。だから笑えた。笑ってくれた。

 『火影になる!』

 その夢は叶ったのではなく、叶えたのだ。
 叶えたから笑えた。だから笑える。嗚呼、幸せなんだろうなとつくづく思うのだ。

 

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